パーキンソン病とは、中脳の黒質と大脳の基底核にある線条体と呼ばれる部分の神経細胞の変性により起こる疾患で、
主な症状は安静時の振戦・筋の固縮・動作緩慢・姿勢保持障害などです。
         
脳は神経細胞の集合体で、神経細胞のネットワークが様々な情報伝達を行い体全体のバランスを保ち、
生命を維持するように働いています。この神経細胞同士の情報伝達には、「ドパミン」「セロトニン」「アセチルコリン」と
いわれる神経伝達物質が欠かせません。
                  
パーキンソン病では、中脳の黒質に異常が起こり正常な神経細胞を減少させるため、そこでつくられるドパミンの量が低下し、
黒質から線条体に向かう情報伝達経路がうまく働くなっている状態ということがわかっています。このため、姿勢の維持や
運動速度調節がうまく行えなくなるなどの症状が現れると考えられています。
黒質でつくられるドパミンの量が正常な人の20%以下まで低下すると、パーキンソン病の症状が現れるといわれています。
発病率は年々増加しており、2000人に1人(65歳以上では500人に1人)の方が罹るいう発病率の高い病気ですが、
西洋医学ではドパミンを使って症状をある程度改善はできますが、進行を止めることはできず難病に指定されているのが
現状です。

【パーキンソン病への鍼灸治療】鍼灸治療では脳の神経細胞を活性化させるツボに刺激を与えることにより、脳への血流供給
を増加させ損傷した脳組織を修復させる効果があります。脳組織の修復により、脳の運動エリア、感覚エリア、黒質の働きが
活発になり中脳・橋の被蓋、視床下核、黒質、大脳基底核、小脳歯状核などの神経細胞が活性化されます。
また脳にある黒質を刺激しドパミンの分泌を促進し、パーキンソン患者のドパミンの分泌量を増やすことが可能です。
このように鍼灸治療では直接治療効果を出し改善・回復させることができます。